HbA1cとは
ヘモグロビンは赤血球内のタンパク質の一種で、全身の細胞に酸素を送る働きをしています。
血液が赤いのは、このヘモグロビンというタンパク質がヘムという赤色の色素を含んでいるからです。
このヘムという分子の特徴は、中心に鉄原子を含んでいることです。参考までに次の図はヘムの構造式です。
血液中のブドウ糖がヘモグロビンとくっつくと糖化ヘモグロビンになります。
〈画像引用 http://www.ncvc.go.jp/hospital/section/ld/endocrinology/hba1c.html〉
血糖値が高いと当然、ヘモグロビンと結合するブドウ糖の量が多くなります。
困ったことに、ブドウ糖が結合した糖化ヘモグロビンがいったん生じると、そのブドウ糖を二度と切り離すことができません。
ですので、糖化ヘモグロビンが生成すると、それを含んだ赤血球の寿命(120日)が尽きて肝臓や脾臓で分解されるまではずっと血液中に残り、血管に障害をもたらすことになります。
HbA1cは、糖化ヘモグロビン(糖が結合したヘモグロビン)がどのくらいの割合で血液中に存在しているかをパーセント濃度(%)で表したものです。
HbA1c(%)=(糖化ヘモグロビン量)÷(すべてのヘモグロビン量)×100%
赤血球の寿命が3、4カ月程度ですので、HbA1cは過去1~2ヶ月前の血糖値を反映することになります。
したがって、当日の食事や運動など短期間の血糖値は反映しませんので、およそ過去2か月間の糖化ヘモグロビン量を表すことになります。
一方、採血した時点の血糖値を表すのは、「血糖」という項目で、単位は(mg/dL)です。
「血糖値」は、甘いものをたらふく食べて採血すると大きな数値になりますし、滅茶苦茶運動していくと、糖尿病の僕でも正常範囲内に収まります。(一度、実証済みです。真夏の太陽の下、休みなしに2時間ほど体を動かし続けたら、正常値になりました)
ところで、10年ほど前、HbA1cの数値がいきなり跳ね上がった時がありました。これは以下のような事情。
「HbA1cは世界中で測定されていますが、世界の大多数の国に比べ日本の測定値は約0.4%低値に測定されていました。そこで2012年4月より、日本でも国際的に広く使用されている測定値(NGSP)を使用することになりました。」
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