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β細胞を増やす治療薬を開発 糖尿病の根治に向けまた一歩近づく

糖尿病・医療・科学
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β細胞を増やしインスリン分泌を増やす治療法とは

膵臓のランゲルハンス島のβ細胞を増殖させることができるということです。

ただし、実験ではということ。

下記の引用記事では実験に動物を使ったのか、患者さんに対して行ったのかは書いてないですが、まあ、動物なんでしょうね。

記事の資料を見ると、1年半前の記事のようですので、その後、この実験結果はどう生かされてきているのでしょうか。

糖尿病患者が大喜びするような実験結果がたまにニュースで流れてくるのですが、その後の経過がほとんど報道されません。

今回のβ細胞を増殖させる話も臨床までいっているのでしょうか。

どうなんでしょうね。

 

糖尿病を発症するまでは完璧な血糖値とHbA1cだった

僕も糖尿病を発症する52歳頃までは、HbA1cは20年間、常に正常値の下限にありました。

(僕、30代に入ってからは年に1度、人間ドッグを受けていたんですね。)

それが、職場環境が変わってたった1年でガチの糖尿病患者に。

発症するまでは完璧な正常値だったのに、一度糖尿病を発症するともう二度と元に戻らないというのが、どうにも納得できません。

まあ、神経細胞も受精卵の発生の過程では作られていきますが、分化していったん神経細胞ができてしまうと、神経細胞はもう増殖(細胞分裂)しないということは聞いてはいるんですけど。

だから事故で神経細胞を損傷すると、細胞分裂をしてそれを補うことができないんですよね。

 

分かっているけど、わが身の事となると受け入れられません。

自分もいつも食欲に負けてしまって、今や腎機能は正常な人の5割から6割。_| ̄|○

この治療法、すぐに実現できないかな。

 

インスリンを分泌する膵臓のβ細胞を増殖させる治療法を発見したと、米国のマウントサイナイ医科大学の研究チームが発表した。2種類の医薬品を組み合わせることで、インスリンを分泌するβ細胞を速い速度で増殖させることができるという。

 

 インスリンは、血糖値を正常範囲に保つために必要なホルモンだ。糖尿病は、インスリンの分泌が少なかったり、働きが悪くなり、血液中のブドウ糖が細胞内に取り込まれず、ブドウ糖が慢性的に増え血糖値が上昇する疾患だ。

 

 1型糖尿病は自己免疫疾患などが原因で、β細胞が破壊され発症する。多くの場合で診断された時点でインスリンがほとんど分泌されていないため、インスリンを注射やインスリンポンプで補うインスリン療法が不可欠だ。

 

 2型糖尿病でも、加齢にともないβ細胞が減少することが多く、インスリン分泌が徐々に低下する。そのため糖尿病が進行するとインスリン療法が必要になる。

 

 β細胞を増やし、インスリン分泌を増やすことができれば、糖尿病の根本的な治療法になるが、現在の医療ではβ細胞を直接的に増やす治療法は実用化されていない。

 
 
β細胞を1日に5~6%増やす治療法を開発

 研究チームが開発するのに成功したのは、β細胞を増殖する新たな治療法で、β細胞を1日に5~6%の割合で増やせるという。研究の詳細は医学誌「Science Translational Medicine」に発表された。

 

 その方法は、「ハルミン」と呼ばれる開発中の薬と、2型糖尿病の治療に広く使われているGLP-1受容体作動薬を組み合わせるというものだ。

 

 研究チームは2015年に、南米のアマゾン川流域に生えている植物に含まれるアルカロイドの一種である「ハルミン」に着目した研究を発表。

 

 「DYRK1A(二重特異性チロシンリン酸化調節キナーゼ1A)」は、細胞の増殖をコントロールするシグナル伝達経路で重要な働きをしている。「ハルミン」はこのDYRK1Aを介して作用して、β細胞の増殖を促すことを突き止めた。

 

 研究チームが2018年に発表した研究では、「ハルミン」を組み合わせた薬剤により、β細胞が1日に5~8%、多い場合には1日に15~18%増え、血糖値を正常にコントロールできることが確かめられた。

 

 一方、GLP-1受容体作動薬は、膵臓のβ細胞に作用してインスリン分泌を促進して血糖値を下げる働きをするのに加え、α細胞に作用して血糖値を上げるグルカゴンの分泌も抑える。血糖値が上昇した際にインスリン分泌を増やすため、単独で使用する場合には低血糖を起こしにくい。

 

 今回の研究では、「ハルミン」とGLP-1受容体作動薬を組み合わせることで、β細胞を1日に5~6%増やせることが明らかになった。深刻な短期的副作用もみられなかった。

 

糖尿病の根治に向けまた一歩近づいた
マウントサイナイ医科大学が公開しているビデオ
糖尿病患者のほとんどでβ細胞は不足している

 「米国の糖尿病有病者数は3,000万人で、8,000万人が前糖尿病と推定されています。世界全体では糖尿病人口は4億6,000万人に上ります。そのほとんどでβ細胞は不足しています」と、マウントサイナイ医科大学糖尿病・肥満・代謝研究所のアンドリュー スチュワート教授は言う。

 

 糖尿病の十分な治療を行わないでいると、心臓病、脳卒中、腎不全、失明、下肢切断などの深刻な合併症が引き起こされる。インスリンを分泌するβ細胞の再生を誘導する治療法が求められている。

 

 「1型糖尿病患者は、β細胞のおよそ90%を失っています。今回の研究では、不足したβ細胞を補充するのに十分な増殖率を得ることができました。GLP-1受容体作動薬とハルミンの組み合わせにより、驚くような結果を得られたのです」。

 

 1型糖尿病を根治するために膵臓やβ細胞を移植する治療が行われているが、こうした臓器移植ではドナーが不足している。ES細胞やiPS細胞を使った再生医療の研究も進められているが、実現するために多くの時間が必要となる。

 

 「広く利用されている糖尿病治療薬であるGLP-1受容体作動薬とハルミンを使い、β細胞を強力に再生する治療法を発見した意義は大きい。糖尿病の医療における大きな進歩です」と、スチュワート教授は言う。

1型糖尿病と2型糖尿病の患者のインスリン産生を回復

 今後の課題は、開発した治療薬をターゲットとなるβ細胞に正確に送り込み、他の細胞や臓器に作用し副作用が起こすのを防ぐ方法を開発することだという。

 

 今回の研究は、国際若年性糖尿病財団(JDRF)の助成を得て行われた。JDRFは、1型糖尿病の治療のための研究に資金を提供し、世界的な活動している財団だ。

 

 JDRFのβ細胞再生プログラムのリーダーであるフランシス マーティン博士は「1型糖尿病の治療を促進する手段として、β細胞の移植が行われていますが、既存のβ細胞を増やす実際的な治療法を開発できれば、インスリン依存の状態から離脱し、1型糖尿病を根治できる新たな治療法になります」と期待を寄せている。

 

 また、1型糖尿病の多くで自己免疫によるβ細胞への攻撃があり、再生したβ細胞が破壊されてしまう可能性がある。自己免疫による攻撃を抑制する治療法の開発も進行中だ。

 

 「まだ課題は残っていますが、今後の研究の進展を期待しています。1型糖尿病と2型糖尿病の患者のインスリン産生を回復させる治療法を開発できる可能性があります」と、マーティン博士は言う。

〈引用〉https://dm-net.co.jp/calendar/2020/029921.php

 

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