インスリン注射が始まるとかなり高額になりますね。
医療保険制度って本当にありがたい。
子や孫の時代までちゃんと成り立ってくれたらいいんですが。
〈引用〉糖尿病情報センター
3. 注射薬を使用している方の場合(例)
インスリン自己注射治療が始まると、薬代(インスリン)が増えるのに加えて、在宅自己注射指導管理料が算定されるようになります。また、血糖自己測定も開始された場合には、血糖自己測定指導加算なども算定されます(インスリンや血糖測定に関連する診療点数の詳細については、血糖自己測定・注射薬に関連する医療費(解説)を参照)。
例5)受診と経口薬(1日1種類)+インスリン療法(1日4回)+血糖自己測定(月60回以上)をしている方の場合
例6)受診と経口薬(1日1種類)+GLP-1受容体作動薬(1日1回)+血糖自己測定(月60回以上)をしている方の場合
GLP-1受容体作動薬で治療する場合も、インスリン治療と同様に、在宅自己注射指導管理料や血糖自己測定器加算などが算定されます(GLP-1受容体作動薬については、血糖値を下げる注射薬を参照)。
例7)受診と経口薬(1日1種類)+インスリン療法(1日4回)+GLP-1受容体作動薬(1日1回)+血糖自己測定(月60回以上)をしている方の場合
インスリンとGLP-1受容体作動薬を併用する場合、注射管理料や血糖測定器加算の費用は変わりません。使用する注射薬の薬代のみ支払う金額が変わります。
例8)受診とインスリン療法(1日4回)+血糖自己測定(月120回以上)をしている方の場合
1型糖尿病がある方では、月120回以上の血糖測定(およそ1日4回の測定)が保険適用となります。以下は、1日4回のインスリン注射と4回の血糖測定を行っている方の例です。
(2型糖尿病がある方は、月に60回以上の血糖測定(およそ1日2回の測定)まで保険適用になります。)
4. 血糖自己測定・注射薬に関連する医療費(解説)
①血糖自己測定に関連する費用血糖自己測定器加算
血糖測定を行っている方は、血糖測定の消耗品(血糖測定のセンサー・針など)の代金として下記の費用がかかります。測定回数により、金額は異なります。
保険診療の範囲内で適用される上限は、2型糖尿病がある方の血糖測定で月60回、1型糖尿病がある方・妊娠中の糖尿病がある方・妊娠糖尿病がある方で月120回までです。それ以上必要となる場合は、院外薬局で自費購入となります。
血糖測定に関連する消耗品には、簡易血糖自己測定器の貸与料、試験紙(血糖測定センサー、あるいは血糖測定チップ)の支給、穿刺(せんし)用器具、穿刺針、消毒用アルコール綿などが含まれています。
*間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM)は、連続して皮下の間質液のグルコース濃度を測定して、血糖値を推定することができる装置です。インスリンの自己注射を1日1回以上行っているすべての方が適用になります(GLP-1受容体作動薬の注射のみの方は適用になりません)。
持続血糖測定器加算(持続血糖測定器を使用している方)
持続血糖測定器は血糖変動の不安定な方に対して使用され、持続的に血糖測定をするための医療機器です。測定センサーは消耗品であり、ひと月に処方されるセンサーの個数により、費用が変わります。(機器本体は貸与です。)
インスリンポンプ治療のひとつである、SAP療法を行っている方の場合もこちらの加算を算定します。
②自己注射に関連する費用在宅自己注射指導管理料
自己注射を行っている方に対して、診察時に自己注射に関連する指導管理を行った場合に算定されます。ひと月の注射回数に応じて費用が変わります。
導入初期加算
注射薬を初めて開始する際や注射薬の種類を変更した際、診察時にこれらの指導管理を行った場合に算定されます。
在宅療養指導料
注射薬の自己注射導入にあたり、看護師から注射の打ち方や日常生活の注意点などの特別な説明が必要だった場合に算定されます。
5. インスリンポンプ治療をしている方の場合(例)
インスリンポンプ治療は従来のインスリン治療では血糖管理が難しい方に行われる治療で、2種類の方法があります。ひとつは、持続的に皮下にインスリンを注入する①持続皮下インスリン注入療法(CSII:シーエスアイアイ)、もうひとつはCSIIと持続血糖測定(CGM)の2つの機能をあわせ持つ機器を装着する②rtCGM(リアルタイムシージーエム)機能と連動した持続皮下インスリン注入療法(rtCGM+CSII)です。
(インスリンポンプ治療に関連する診療点数の詳細については、インスリンポンプ治療に関連する医療費(解説)を参照。また、インスリンポンプの治療法に関する内容は持続皮下インスリン注入療法を参照。)例9)持続皮下インスリン注射(CSII)+血糖自己測定(月120回以上)をしている方の場合
薬代(インスリン)・自己注射管理指導管理料に加え、機器の貸与や使用する消耗品に対する費用としてシリンジポンプ加算・血糖自己測定器加算が算定されます。
②CGM機能と連動した持続皮下インスリン注入療法(rtCGM+CSII)インスリンポンプ(CSII)は持続的に血糖測定を行うセンサー(rtCGM)と連携し、リアルタイムで血糖値を表示することが可能です。高血糖や低血糖時のアラーム機能も持っています。
例10)持続血糖測定(CGM)機能と連動した持続皮下インスリン注入療法(rtCGM+CSII)をしている方の場合
*間歇注入シリンジポンプ(プログラム付きシリンジポンプ)は、インスリンを間歇的かつ自動的に注入することができ、さらに基礎注入と独立して追加注入がプログラム可能であり、基礎注入の流量について1日につき24プログラム以上の設定が可能です。
6. インスリンポンプ治療に関連する医療費(解説)
インスリンポンプを使用している場合、診察時にはインスリン流量調整や詳細な血糖測定結果の確認など、非使用時と比べて特別な配慮が必要となります。また、インスリンポンプの機器の貸与、センサーや消耗品の費用代などのために以下の加算がかかります。
(治療を行っている方の例については、 インスリンポンプ治療をしている方の場合(例)をあわせてご覧ください。)在宅自己注射指導管理料
CSII、またはrtCGM機能と連動した持続皮下インスリン注入療法(rtCGM+CSII)を行っている場合に、診察時の指導管理料として算定される費用です。
間歇注入シリンジポンプ加算
CSII療法を行っている場合に算定される加算です。
持続血糖測定器加算
CSIIとrtCGM機能と連動した持続皮下インスリン注入療法(rtCGM+CSII)の持続血糖測定に対して算定される加算です。
(持続血糖測定のためのトランスミッターを使用した場合に算定されます。ポンプの費用もここに含まれるため、上記のCSII療法で算定される「間歇注入シリンジポンプ加算」と同時算定はされません。)上記に加えて、血糖測定のためのセンサーの費用を合計します。
血中ケトン体自己測定器加算
SGLT2阻害薬を内服している1型糖尿病の患者さんでは、糖尿病ケトアシドーシスの予防の目的で自宅でもケトン体測定ができるよう、ケトン体の測定チップなどが処方できるようになりました。
7. 糖尿病の合併症を治療中の方、または眼底検査を行った場合(例)
糖尿病と合併症の病気については、糖尿病の慢性合併症について知っておきましょうもご覧ください。 ①糖尿病と高血圧の治療をしている場合糖尿病のある方が、高血圧で内服治療をしている場合の概算です。薬の種類・量・回数によって金額は異なります。
例11)受診と糖尿病経口薬(2種類)+高血圧経口薬(1種類)を処方されている方の場合
*内服のタイミングが同一の薬剤は、まとめて計算されます。
②糖尿病・高血圧・脂質異常症の治療をしている場合脂質異常症の治療が追加で必要になった場合の例です。脂質降下薬の薬代が追加されます。
例12)受診と糖尿病経口薬(1種類)+高血圧経口薬(2種類)+脂質異常症経口薬(1種類)を処方されている方の場合
*内服のタイミングが同一の薬剤は、まとめて計算されます。
③糖尿病腎症を合併している場合糖尿病腎症を合併し内服治療が開始された場合には、薬代が追加されます。
例13)受診とインスリン療法(1日4回)+腎臓の経口薬(2種類)+血糖自己測定(月60回以上)をしている方の場合
④糖尿病の網膜症の検査をする場合糖尿病がある方は眼の合併症を起こしていなくても、1~2年に1回の眼科受診が推奨されています。眼科を受診し眼底検査を行った際にかかる費用例は以下のとおりです。
例14)眼底検査にかかる費用
眼科診察で眼底検査を行う際は、一般的に散(さん)瞳(どう)(黒い瞳である瞳孔を開く点眼薬を使用)して行います。光をまぶしく感じ、物が見えにくくなるため、直後は車や自転車の運転は控えましょう。